人種差別撤廃条約と呼ばれる条約の正式名称は「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」です。
さて、第1条
1 この条約において、「人種差別」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう。
2 この条約は、締約国が市民と市民でない者との間に設ける区別、排除、制限又は優先については、適用しない。
3 この条約のいかなる規定も、国籍、市民権又は帰化に関する締約国の法規に何ら影響を及ぼすものと解してはならない。ただし、これらに関する法規は、いかなる特定の民族に対しても差別を設けていないことを条件とする。
4 人権及び基本的自由の平等な享有又は行使を確保するため、保護を必要としている特定の人種若しくは種族の集団又は個人の適切な進歩を確保することのみを目的として、必要に応じてとられる特別措置は、人種差別とみなさない。ただし、この特別措置は、その結果として、異なる人種の集団に対して別個の権利を維持することとなってはならず、また、その目的が達成された後は継続してはならない。
まず、第1条の1項において、「人種(民族)による優先」を「人種差別」と定義していますwww
まぁ、入管特例法は、その条件を満たせば(戦前から日本に居て、平和条約によって国籍を離脱した者)別に朝鮮人や台湾人でなくても、対象となるのだが、実際には、その殆どが朝鮮人・台湾人である。
人種差別者は、「歴史的経緯」があるから「優先」していても構わないと言いますが、この条約では、そのような優遇制度を「人種差別」と定義していますwww
ちなみに、第1条の2項では、「市民」と「市民じゃない者」との間における「排除」「制限」は対象外としています。
つまり、「朝鮮人は出て行け」は、日本人と朝鮮人との間における「排除」であり、人種差別撤廃条約が言う「人種差別」の対象外です。
勿論、在日朝鮮人に指紋押捺やDNA採取を義務付けても、全然、人種差別になりませんw
3項は飛ばして、4項では何が書かれているか?
簡単に説明すると、「特定の民族が、他の民族と比べてハンディがある場合は、その民族に保護を与える事は許される」と書かれています。条文では「必要に応じてとられる特別措置は、人種差別とみなさない。」です。
なるほど、この条文で言えば在日朝鮮人が、特別に「素行が不良であっても良い」「自活能力が無くても良い」として永住資格が与えられるのは、それが「必要な特別措置」であれば人種差別には該当しない事になります。
しかし、特別永住資格者にのみ、「素行が不良でも構わない」「自活能力がなくても構わない」「永住資格の付与が日本国の利益に合致すると認められなくても構わない」とする特別措置って、なんの「必要性」がある???
その答えが、同条に書かれていましたw
「ただし、この特別措置は、その結果として、異なる人種の集団に対して別個の権利を維持することとなってはならず、また、その目的が達成された後は継続してはならない。」
なるほど、百歩譲って、入管特例法を作った時には「立法事実」があったかもしれません。
(その法律を作る必要となる事情の事ね)
具体的には、国内に突然、60万匹の朝鮮人が発生(国籍の離脱に伴う)し、彼らの在留資格について法整備の必要にかられた背景はあります。GHQの命令の通り、全ての朝鮮人が帰国していれば問題は発生しなかったのですが・・
本来、正式な移民や難民でもない外国人だったので、一旦、祖国に帰国して貰うのが望ましかったのですが、朝鮮戦争の真っ最中な事もあったりして、彼らが日本に居座って帰ってくれませんでした。
その後、竹島近海で拿捕された4000人弱の日本人を人質に使って、韓国は「返して欲しかったら、日本国内にいる在日60万に永住資格を与えろ」と言って来ました。
それによって付与された永住資格が日韓法的地位協定に基づく「協定永住」でした。しかし、その期限は25年。
そして、1991年に「協定永住」制度が終了し、その後に出生する「協定永住者」の子弟をどう扱うかを決める必要が生じました。
私なら、「協定永住の期限が切れたのだから、これ以降に出生した協定永住者の子弟については、一切の在留資格を付与しない。つまり、その子供は日本から退去させる。親は子供だけ母国に送るか、一緒に帰るか選べば良い」としましたがw
何故か、自民党は投げやりに「今後は協定永住を特別永住と名前を変えて、無期限に永住資格を付与していこう。特別永住者の子孫は無条件で特別永住資格を与え、犯罪を犯しても退去強制を免除し、自活能力も求めず、日本国の利益に合致しなくても良い事にしよう」と言う、訳ワカメの入管特例法を作った・・・
大雑把にこれが、入管特例法の立法事実
さて、これを人種差別撤廃条約的に見ると、どうなるか?
「この特別措置は、その結果として、異なる人種の集団に対して別個の権利を維持することとなってはならず、また、その目的が達成された後は継続してはならない。」
となっているので、他の外国人が退去強制となるような犯罪を犯しても、日本から退去させられないと言う「別個の権利」を維持するような事になってはいけませんし、
そもそも、協定永住こそが、特殊な背景事情の下に設けられた「特別措置」だったので、その役目(25年の期限)が切れた時点で、「継続」する事が駄目だったという話です。
(ちなみに、日本の加入は1995年だから、その時は加入前ですけどね)
なんにせよ、人種差別撤廃条約は、明らかに「入管特例法」は「人種差別」だと謳っておりますwww
【投稿者】
川西大了