外堀を埋めると言う言葉がある。
法律には条文があり、その条文に基づいて逮捕・起訴された被告人がいて、その行為が「構成要件を満たす=有罪」と認定されて初めて「この行為は違法行為だ」と言える。
例えば、「賭博をしてはいけない」と言う法律がある。
そして、ゴルフでお昼御飯を賭けて勝負した人間がいて、それを警察が現行犯逮捕し、起訴されたとする。
少なくとも、条文には矛盾しない。
しかし、判決では「お昼御飯程度であれば賭博罪には該当しない」とされた。
こうなると、「昼御飯程度を賭けるのは賭博罪にはならない」とする前例が出来る事になる。
すると、以後、この判決は踏襲される事となるので「昼御飯程度以下」のモノを賭けた行為は実質、無罪認定となる。
この逆説の考え方で・・・
「ここまではオッケー」と言う基準を築かれる前に「ここまですればアウト」と言う基準を作っていき、アウトゾーンを拡大していく作戦だ。
いきなり「朝鮮人は日本に要らない」を攻めては勝ち目がない。
それをアウトにする為に、色々な「これはアウトだったよ」と言う前例を作って行き、本丸に攻めて行く。
ノルウェーでは「強姦事件の増加はイスラム系移民の増加が原因だ」との根拠のある主張を述べて、ヘイトスピーチ罪で有罪が出る事態になっている。
前置きはこの位にして・・・・
ニュースによると、本日、大阪の梅田で自民党の谷垣氏が韓国・朝鮮人を差別する意味の言葉を使い、その後、谷垣氏が「不適切な発言だった、撤回する」とコメントを出したらしい。
なるほど・・・
具体的に何を言ったか知らないが、例えば「不逞鮮人による犯罪の多い大阪を安全な街にしたい」とか言った後に「不逞鮮人は不適切な用語だった、撤回したい」とかやったら「不逞鮮人」と言う言葉狩りも可能だ。
石原慎太郎氏は「不良三国人が・・・」と発言し、何故か「それは朝鮮人を差別する意味合いもある言葉だ」と言い掛かりをつけられて批判を受ける事件も昔にあった。
石原氏は「三国人は広辞苑にも載っている外国人を意味する言葉で何の問題も誤用でもない文言だが、この単語で不愉快に感じる人が多いのなら、別の言い方にするとか考える」と言っていた。
自分で何か発言し、発言した本人が「ヘイトスピーチでした。ごめんなさい。」とやる自作自演は、考えたら効果的である。
世の中には「自分はヘイトスピーチしなかったけど、仲間はやったので、謝罪する」と上手に出世の手段に使った御仁もいるw
在特会に入って、その後に「私は過去を反省した」とか言って「改心」をアピールする手段に使う御仁もいるとか、いないとかw
同和行政でもそうだったけど、弱者救済の陰には「利権」「儲かる」が発生し、かえって被差別部落差別問題の解決を困難にしたように、ヘイトスピーチ規制の陰にも「利権」「儲かる」が発生したら、かえって問題の解決を困難にし、更には「ヘイトスピーチが無くなったら困る」と言う利権集団も誕生するかもしれない。
ふと、そんな事を感じましたとさ・・