2015年4月20日(月) の予定

[皮膚の色による社会的差別」がある国・・・

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 多文化とは、一つの国のなかでの多様な言語、多様な民族、多様な文化などに関して、互いのアイデンティティを認め合い、互いに和合しながらコミュニティを形成して暮らしていく社会的秩序を指す。最近、韓国法務部が発表したところでは、韓国国内の外国人居住者は100万名を超えており(外国人勤労者70万名、結婚移住民10万名、「セットミン」【「脱北者」の言い替え語で、「新たな地で人生の希望を抱いて暮らす人」という意味】と華僑5万名、米軍兵士及び軍属、観光客15万名)、2050年には全人口の5%を上回るものと予想されている。外国人居住者の大多数を占める外国人勤労者は、主に3K(危険、汚い、きつい)の業種に従事しながら、皮膚の色による社会的差別、不法滞在による不安感、低賃金などにさいなまれている。
 韓国における多文化家庭の子女は、韓国人と国際結婚をして生まれた子女、韓国に移住してきた外国人勤労者の子女、「セットミン」家庭の子女の3つに大きく分類することができる。1997年の国籍法改正後、韓国人と移民者の夫婦間に生まれた多文化家庭の子女は、出生と同時に韓国国籍を所得できるようになったが、これは多文化家庭を増加させる一つの契機となった。2007年の統計庁の資料によれば、多文化家庭の父親の国籍は、その大多数が韓国(87%)である。母親の国籍についてみれば、中国が全体の49%を占め、これに続いてベトナム、日本、フィリピン、モンゴルの順となっている。
 1990年代に農村地帯から始まった国際結婚ブームは、2000年代に至って、これらの多文化家庭の子女が小学校へ入学し始めた頃から、意思疎通の困難、学習不適応、周りの生徒からのいじめ、上級学校への低い進学率などが、全般的な社会問題として浮上してきた。講演では、これらの多文化家庭子女の教育問題を中心に考察し、韓国政府、民間団体、韓国語教育担当者たちがこうした問題を如何に把握し、解決していこうとしているかについて、詳しく見て行こうと思う。
 この講演を通して、多文化家庭の問題点を十分に認識しつつ、その解決プランは如何に見出され得るかについて考え、更にすすんで、彼らとともに美しいコミュニティを創出しうるプランを模索してみたいと思う。

登録番号
No.903
日時
4月20日(月)
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